炉開き
主菓子掛け軸
今月からお茶は炉点前。その炉開きの亭主に僕の番が回ってきた。炉は半年間のインターバルがある。一年を通じてあらゆる季節のお点前を練習していればなにも不安がないのだが、いつも行きあたりばったりだからそれはそれはプレッシャーがかかる。時間を見つけては事前に練習をするのだが、一度引っかかるとその先に進んでいかない。途中から続けられれば良いのだが、流れで覚えているからまた初めにプレイバック。
そんな按配で本番に臨んだ。満足のできるお点前は出来なかったが平成最後の炉開きの濃茶点前を終了。その後、一通り全員が薄茶点前のお稽古をした。当日は以前からの住職さんの提案で会食をすることになった。いつもお世話になっている住職さんとゆっくり話ができるチャンスはなかなかないので実に楽しかった。
床にかけてある掛け軸がみな気になっていたのだが、良く分からない。住職さんが我々のためにかけてくださったもの。そこで早速、住職さんに解説を所望した。
この軸は円覚寺管長を務められた釈宗演老師の作。今年が釈宗演老師の100年遠忌にあたる。老師は1902年円覚寺において最初にアメリカ人に対して禅を指導した方でも有名で、34歳の若さで円覚寺の管長に就任した。お弟子さんに鈴木大拙、釈宗活、夏目漱石などそうそうたる人がいる。
さてこの軸には何が書かれているかというと円相是什麼とある。是什麼は「これなんぞ」という意味。住職に実に分かりやすく説明していただいたのだが、僕が説明するといい加減な説明になること必至なのでここで止めておく。禅問答なのでいろいろなところに書かれているからご興味のある方は調べてみて。