お見送り
富士山がうっすらと顔を出す本船を避けてオーナーが舵を握る
仙台の「雪風」兄弟が着いて間もなくして「CALYPSO」の側にある「えるどみんご」の奥様が出航の見送りに来てくださった。初めから我々の出航を知っていた訳ではない。林先生が清水に来たのでご挨拶で電話をしたためだった。「えるどみんご」のオーナーさんはハーバーの近くにある有名な歯医者さんだ。ご主人は診療中だったのでその代りに奥様が飛んできてくださった。ほんの暫くだったが近況報告をして我々は清水港を後にした。
台風の余波があり、港の中は静かだったが外はかなり波が残り風もマックスで17~18mの予報がでていた。オーナーは初めから強風を予想して2ポイントリーフ(縮帆)をセットしていた。
清水港の入り口に近づくに従って、波が高くなってきた。夏場に富士山を見ることはなかなか難しい。しかし、たまたま台風の影響で風が吹いていたこともあり雲の合い間に薄っすらと富士山が見えた。雪のない夏の青い富士山が仙台から来られた「雪風」のご兄弟を大歓迎したという感じだ。弟さんは富士山が見れて大感激。
港から暫くはおとなしい駿河湾だった。もともと「CALPSO」のコックピットはビミニトップが付いていて、スプレー除けも設備されているので総てをセットすれば全くスプレー(しぶき)を浴びずに走ることが出来る。しかし、スプレーが殆ど上がらなかったので日除けの天井だけセットしていた。それが駿河湾の中間にさしかかると波が2mから3m近く上がりだし、いきなり大きな波がザブ~ン。オーナーも林先生も頭から水浸し。僕だけが濡れなかった。それから慌てて手造りのスプレー除けをセットしたのでその後はセーフ。