うわまちギャラリー
切りえ展の看板般若心経職人
京急横須賀中央駅の横には平坂という有名な坂がある。それを登り切ったところに10年ほど前から小さなギャラリーがあった。僕は全く知らなかったが、たまたまそのオーナーを知っている知人からアドバイスを求められ連れだってオーナーに会いに行った。現役時代多少なりともギャラリーに携わったことがあるのを知っている知人のアイディアだった。ギャラリーオーナーさんは元役所にお勤めしていた方で、その昔、オーナーさんのご両親が化粧品やさんをやっていたが廃業し、その空スペースを活用したものだと判明。オーナーさんは滅法人が良く商売気が全くない。オーナーさん自身が大変器用な方で鎌倉彫をやったり、水墨画を描いたりされていて、最近はきり絵を独学でやられていて借り手のいないスペースにご自分の切り絵の作品を展示し、店番をしながら制作活動をしていた。ギャラリーには切り絵作品が20点近く展示されていたが、その細かさにびっくり。下段中の作品は「般若心経」。白い紙をカットして後ろに黒い紙を当ててある。右側の作品は職人の作業風景をカットしたもの。その他、どれも驚くような素晴らしい作品が並んでいたが額装の方法に難があり、改良するようにアドバイスをした。但しこれは借り手がいないので埋め合わせの展覧会。
壁面は約13m。こじんまりとした可愛いギャラリーだが、小品だったら、個展でもグループ展でも借り手は沢山いるのではと感じた。作家の立場から見ると借用料が気になったがいかようにも相談の応じるというから発表の場を探している人にとっては絶好のチャンスかもしれない。今までの活動の経緯を伺ったが、殆ど宣伝らしい宣伝もしていないので借り手がいないのも無理からぬこと。ましてや借り手が出た時だけギャラリーを開けていると聞き、それではなかなか認知されないので先ずはオーナーの作品の常設展からスタートして、いつもギャラリーがオープンしている状況づくりを提案してきた。