


日航の国際線パイロット、政府専用機のパイロット、テストパイロットなど重要な仕事をされ、その後パイロットの育成に力を注いだ先輩が亡くなられた。奥様からの連絡で知り、自宅にお焼香に行ってきた。先輩の家は我が家から車で15分ぐらいの閑静な住宅地。夏になると、芝生の敷き詰められている大きな庭でガーデンパーティーが開かれ、何度となくお招きをいただいた。同級生のハワイアンバンドも毎回出演してまるでハワイにでもいるかのような錯覚を起こすほどだった。僕が初めてお会いしたのは葉山マリーナに係留されていた名艇「JACKY」だった。一緒に長崎の対馬にも航海した思い出がある。いつも冷静沈着で品格があり恰好良く憧れの人だった。
その先輩から庭で育てていたビカクシダをいただいたことがある。一般的には寒さに弱いと言われているのだが先輩の家では1年中外に置かれていて生き生きとしていた。僕もいただいたシダを外の木にぶら下げていたのだが、ある冬に寒そうに思って倉庫に取り入れたら環境が変わったせいか一遍に枯らせてしまった。久しぶりにおじゃました玄関まわりには昔と変わらず、驚くほどの大きなビカクシダが並んでいた。何をやっても丁寧にやられる器用な先輩。もっともっと見習いたい人だった。