やっちゃんの珈琲たいむ

2018年11月

天武・持統天皇陵
天武・持統天皇陵禁止事項の看板なだらかな階段の上に
飛鳥駅から国道169号線を横切り県道を少し走って、アシスト付きの自転車に少し慣れてきたころ、田園の小高い丘の上に天武・持統天皇陵があった。天武天皇と持統天皇の名前は知っていたが、改めてどんな人かと問われると不勉強でわからない。解説の看板を熟読した。天武天皇は7世紀後半の第40代の天皇。舒明天皇の第3皇子。天智天皇の没後、壬申の乱(672年)に勝利して翌年、飛鳥の浄御原宮に即位した。持統天皇は7世紀末の女帝で、天智天皇の第2皇女。天武天王の皇后。天武天皇の没後、称制。草壁皇子没後、即位第41代の天皇になった。皇居は大和国の藤原宮。文武天皇に譲位後、太上天皇と言った。
歴史の本や教科書で名前は見ているものの歴史に弱い僕は線で繋がってこない。歴史だから一つずつの情報が繋がる筈なのだが今になってその線が繋がる努力をしているしまつ。だから現地の解説はとても貴重で説得力がある。

高松塚古墳
近鉄飛鳥駅近鉄飛鳥駅アメジストが咲いていた
素晴らし田園風景解説版高松塚古墳
高松塚の古墳が発掘され、その時に発見された極彩色の壁画は衝撃だった。記念切手にもなり、最近まで持っていた切手を郵送物に貼っていた。今回展覧会の後の計画は飛鳥を訪ねることだった。僕にとっては初めての経験。近鉄の飛鳥駅は月曜日だったこともあり、僕らの仲間以外は降りた人がいなかった。駅前にはレンタサイクル屋さんが何軒かあった。その中でも自転車を借りた場所に戻さず、樫原神宮駅で返却できるお店を探した。
流石お客様の要望をきちんと応えるお店がちゃんとあった。これだと飛鳥地域をすべて自転車で回れる。夕方5時までに返却すればよい。自転車もいろいろ種類がある。普通の自転車かアシスト付きか?少々悩んだがお店の人の「アップダウンが結構ある」というアドバイスでアシスト付きに決定。僕はこれも初めての経験。説明を受けてスタートしたものの初めはちょっと迷った。仲間の連中は普段乗りなれているので僕より早い。しかし、最後は何ということもなく慣れた。これは正解だった。よくぞこんな便利なものを開発したものだと感心してしまった。お陰様でまずは高松塚古墳を訪ねた。現物の壁画を見ることはできないが、作った古代の人たち、またそれを発見した人たちの知恵が素晴らしい。あまり観光客がいないので山の中を自転車で走っていると古代の人たちが出てくるのではないかという錯覚にとらわれた。

奈良公園で
展覧会から帰る人たち奈良公園の展覧会案内黄葉
こちらは紅葉休憩所夕方がねらい目
奈良国立博物館はほぼ狙い通りの入場者の列だった。それでも入場制限がかかったから流石、最終日前日だ。展示会場は写真撮影禁止だからここでカメラはバックにしまった。
今回は入口で音声ガイドを借りた。今回の展示数は56件。その中の21件について音声ガイドが付く。昨年は会場の総ての解説を老眼鏡で読んだが、流石疲れた。そこで今回は音声ガイド以外の展示物の解説だけ読んだから実に気楽でリラックスできた。
今年の目玉は玳瑁螺鈿八角箱(たいまいらでんはっかくのはこ)。仏様へのお供え物を入れた箱で、その装飾のセンスの良さには眼を見張った。黄色と黒の飾りの部分はウミガメの一種玳瑁の甲羅を薄く切ってはめ込む螺鈿の技法で花や鳥の文様を鮮やかに表現してあった。平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)は聖武天皇の身近にあったとされる鏡だから分析すると指紋が残っていたかも。これもヤコウガイを使った螺鈿が施されていていた。なにせ今から1300年も昔の宝物なのだが、布地は劣化が激しいがその他のものは実によい状態で保存されていて関係者の努力が忍ばれる。お陰さまで2時間で満足いく鑑賞ができた。毎年行くたびに感じるのは殆どが韓国高句麗や新羅の影響が強い。日本と韓国の関係はこんな古い時代からあったことを考えるともっともっと仲が良くてもおかしくない。


猿沢の池の鴨
猿沢の池に通じる道は紅葉猿沢の池ツーリングの人たちも
少し赤らんだ木木と五重塔猿沢の池猿沢の池と五重塔
高校時代に修学旅行で来た奈良は猿沢の池の側の旅館に宿泊したと記憶している。その猿沢の池が意外に小さいので記憶の不確かさを思う。更に修学旅行の記憶は夜、枕投げをやったことしかないのが情けない。たまたま予約できた宿泊先が猿沢の池の側だったのでゆっくり猿沢の池を見た。池の周辺の建物がどんどんリニューアルされていて、昔の建物が殆どない。奈良は観光客で昼間はごった返すが宿泊客が少ないということで躍起になっている。交通の便が良くなって奈良が通過だけの観光地になりつつある。その意味では僕のような観光客は貴重な存在になる。紅葉にはちょっと早いか。展覧会は何も持たずに見たかったので、とりあえずチェックインした。

近鉄奈良駅前
近鉄奈良駅前近鉄奈良駅前近鉄奈良駅前
近鉄奈良駅前近鉄奈良駅周辺近鉄奈良駅周辺
日曜日の午後3時過ぎ。ここは近鉄奈良駅前。快晴で気持ちがよい秋晴れの一日もそろそろ終わりかけている。翌日11月12日が奈良国立博物館で開催されている「第70回 正倉院展」の最終日。10月27日から開催されていたからすでに半月以上経っていた。この展覧会にはここ数年通っているがなかなか時間が取れずどうにか仲間にも僕に合わせてもらって、最終日前日に間に合った。タイミングとしては駆け込みのお客さまが増えるだろうから最悪と想定した。だからできるだけ夕方の方が館内がすいている筈だ。ただ日曜日は午後8時まで開館している。
奈良駅の周辺にいる人々が総て展覧会に関係していることはないと思うが駅前はごった返していた。ご多分に漏れず日本人だけではなく外国からの旅行者も溢れかえっていて、いろいろな言語が歩きながら聞こえてくる。流石、秋の奈良だ。

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