やっちゃんの珈琲たいむ

2018年03月


朝5時のサンバード桟橋
日の出前のサンバード桟橋出航10分前日の出前
ペリー上陸記念碑日米友好の灯まもなく出航
下田の夜は本当に楽しかった。余りにもいろいろな刺激を受けた。自分のやっていることの小ささを感じてしまった夜でもあった。Tさんの家からサンバード桟橋に戻り、シュラフに入ったが、オーナーに毛布を借りてシュラフに入れたので前日とは大違い。下田の夜は快適でぐっすり眠ることが出来た。下田~油壺間は距離が長い。せめて6時には出航し、午後早めに到着したい。8時間から9時間を見込まなければならない。その昔、波と風に翻弄されて10時間かかったこともある。緊張感も手伝ってか5時前に目が覚めた。日の出は6時少し前。
上の写真は朝5時の寝姿山方面を撮った。
中段左はサンバード桟橋に係留されている「あぶさらむ Ⅱ」。まだ日の出前なので写真がもうろうとしている。
出航準備は前日に終了していたので殆どやることがなかった。下田港が刻一刻と明るくなっていく。雲が沢山出ているものの雨の心配はなさそうだ。雲が多少流されていたが強風の心配もなさそう。
時間的に余裕があったので桟橋の上に建っているペリーの胸像とアメリカとの平和友好の灯を写真に収めた。ここには日米交流150周年記念に寄せて2004年、第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・ブッシュさんのメッセージとペリーの生まれ故郷であるロードアイランド州ニューポートから送られた平和友好の灯が灯っていた。

家づくりが趣味
まだまだ建築中ベッドルーム大型船に備えられた湯舟
「ページワン」で盛り上がっていた時、下田在住のTさんの携帯が鳴った。電話が終わってからTさんが「お隣さんから電話がきた!」と言う。そして、Tさんが「面白い人だから是非、皆で行ってみよう!」ということになり、ワインとビールで膨らんだお腹を抱えて下田東急ホテルのお隣までテクテク歩いた。Tさんの家には何度かお邪魔しているので知っていたのだが、裏山を背負って急斜面に建っている。それはそれは素敵な住まいだ。そのお隣に今回お訪ねしたYOさんの家があった。夜なので全体が見えないのは残念なのだが、暖炉のあるこのリビングの椅子に座って横を向いている方がここのオーナー。この方の趣味は家づくり。この下田の家も現在建築中。斜面に建った6階建て。基礎工事は傾斜地にある有名な横須賀秋谷の団伊久磨さんの家を建てた建築会社が請け負ったという。
沢山のベッドルーム、沢山のお風呂。手作りの家は実に楽しかった。材料をいろいろ工夫し、ユニークな再利用などもあり、如何に単価を下げて作るかもコンセプトのようだ。だから使用しなくなった材料を業者さんから只でいただくこともあったと聞いた。
家づくりが趣味と言ったのでこの家を作っていることを言っているのだと思っていたらこの家は8軒目。え~8軒目?・・・と聞いて日本にもこういう人がいるんだとただただ驚いた。趣味だから本職は全く別物。さる大手の会社のタイヤ設計を請け負っている会社の社長さんだった。

ページワンの入り口
下田市旧澤村邸ページワンの入り口仲間4人で
サンバード桟橋のすぐ近くに最近若者に人気のペリーロードがある。一番海寄りには下田市旧澤村邸の黒いなまこ壁のお屋敷がある。大正7年に建てられたお屋敷で無料で見学することが出来る。ここからペリーが下田条約を締結させた有名な了仙寺までの道700mがペリーロードだ。ロードに沿って川が流れているが、その途中に下田に行った折には必ず寄るイタリアンの「ページワン」がある。ペリーロードから橋を渡るとお店に入れる。その橋にはテーブルがセットされ、美味しそうなトマトがディスプレーされている。これぞ「ページワン」自慢の茨城産の美味しいトマト。Tさんの紹介で通うようになった。今回は夕方6時に予約してもらって、「あぶさらむ Ⅱ」組と安良里組の4人で店に行った。
いつも料理はシェフにお任せする。ビールとワインをかなり飲んで美味しい料理を食べてみな大満足する。それでいてお値段も決して高くない。今回も勿論、料理はシェフにお任せ。
下田の素敵なお店で4人が揃うことはなかなかないので記念写真をお店の若きママさんに撮ってもらった。左から安良里の情報通ヨットオーナーYさん、そして今回僕がお世話になった「あぶさらむ Ⅱ」のオーナーBさん、下田在住「TURTLE」のTさんと僕。

下田港へ向かって
サンバード桟橋サンバード桟橋でサンバード桟橋で
下田までは特に急ぐ必要がない。せめて4時頃までに着いて、お風呂と翌日の朝食、昼食を買うことができる時間があれば充分だ。ただ、昨晩安良里で一緒に食事をした下田在住のTさんが自宅に帰ってくる。一緒にYさんも同行するという。Tさんの計らいでいつも下田に行くと必ず立ち寄るイタリアンレストラン「ページワン」で午後6時に待ちあわせをしていたのでそれには間に合わせなければならない。距離的には4~5時間コースだから余裕があった。
ましてや海が荒れていなかったから更に気持ちのゆとりがある。追い潮と斜め後ろから来る風に押されて石廊崎沖を快適に走った。いつもより沖合を走ったので点在する岩礁がすぐ側に見えた。
下田港の入り口がまだまだだと思っていたら、そのうちに海上保安庁のコーストガードが「あぶさらむ Ⅱ」の遥か後方に見えた。下田には保安庁の大きな基地があるから我々も見なれている。下田港の入り口はかなり広いが長い間消波堤の工事をやっていて、危険な場所が何ヶ所かある。コーストガードの白い大型船が下田港に入港するコースを見て、二人でハタと気がついた。
何と・・・いつも入港する入り口を通過していることに気がついたのだ。帆走で気分よく走っているうちにいつものポイントを見間違っていた。未だ午後1時だったから慌てることもなくコーストガードの入港コースに舵を切った。海から陸地をみると見る場所によって全く違って見えることがある。
そして、ほぼ予定通り5時間余りの午後2時前に下田港のサンバード桟橋に係留した。シーズンには係留出来ないほどの船が横づけされているのだが、シーズンオフとみえ「あぶさらむ Ⅱ」の独り占めだった。

石廊崎灯台を見る
石廊崎で帆走伊豆半島先端石廊崎で帆走
石廊崎沖沢山の根を横目に沢山の根を横目に
石廊崎の海況は気象状況によって差が有りすぎる。まるで湖のような時もあれば難所だと言われることもある。伊豆半島の先端から根が伸びていて、沖合にある神子元島の間にいくつもの洗岩、暗岩があるので昔は沢山の船が座礁した。海図の中に沈没した船のマークが印刷されていたこともあるくらいだから、良く状況の分かっている船以外は神子元島の外側を通過する。
我々のヨットはそこまではしなくても神子元島の内側、伊豆半島沿いをコースに選んでも問題はないが、水深をチェックすると急激に浅くなる場所もあるから慣れない船は驚く。
その昔、ヨットを手に入れたばかりに横浜でフローティングショウーがあり、自艇を展示をすることになって西伊豆の安良里から横浜まで運んだことがある。その時、ヨット経験豊富なディーラーさんが一緒に回航を手伝ってくれたが、相模湾に出るのに神子元島の外を通った。僕もまだ経験がなかったのでそれが当然だと思っていたが、それから随分経って下田に行くのに島の中側を通っても大丈夫だと分かってからは外を周ったことはない。
今回は少し波があったものの追い潮があり後ろからぐんぐん押され、更に帆走できるほどの風も応援してくれたので実に快適な走りが出来、石廊崎の印象がすっかり変わったが、こんなことはめったにあることではない。




このページのトップヘ