東京湾が余りにも綺麗だったので車を停めた。台風21号と22号の合間。久しぶりの太陽で空気中の水分が温められるのか少し靄ってはいるものの、海の向こうには房総半島が長く連なっている。珍しく風も波もないから東京湾がまるで湖のようだ。小さなさざ波がたっているのか太陽が当たりきらきらと輝いてまるで絵のようだった。この景色はどこかで見た景色だと思ったら、その昔、フランスのビジョンヌーベルの作家でよく港や海の作品を制作したブーリエの作品にこのような版画作品があったように思った。
海は刻々と表情を変える。だから魅力があるのだと思う。いつも同じ表情だったらきっと魅力が半減してしまうのだろう。親友が西宮から油壺までヨットを回航している。予定通り出航したものの紀伊半島を周ったところでエンジンにトラブルが発生。やむを得ず三重県の九鬼に入港し、パーツが届くのを待っていると連絡があった。台風に追いつ追われつの回航。何もトラブルがおこらないように祈るばかり。