やっちゃんの珈琲たいむ

2017年10月

台風の合い間
東京湾が余りにも綺麗だったので車を停めた。台風21号と22号の合間。久しぶりの太陽で空気中の水分が温められるのか少し靄ってはいるものの、海の向こうには房総半島が長く連なっている。珍しく風も波もないから東京湾がまるで湖のようだ。小さなさざ波がたっているのか太陽が当たりきらきらと輝いてまるで絵のようだった。この景色はどこかで見た景色だと思ったら、その昔、フランスのビジョンヌーベルの作家でよく港や海の作品を制作したブーリエの作品にこのような版画作品があったように思った。
海は刻々と表情を変える。だから魅力があるのだと思う。いつも同じ表情だったらきっと魅力が半減してしまうのだろう。親友が西宮から油壺までヨットを回航している。予定通り出航したものの紀伊半島を周ったところでエンジンにトラブルが発生。やむを得ず三重県の九鬼に入港し、パーツが届くのを待っていると連絡があった。台風に追いつ追われつの回航。何もトラブルがおこらないように祈るばかり。

工事現場の信号
工事現場の信号
最近車のマナーに絡む痛ましい事故が続出している。僕は以前より頻度が少なくなったとはいえ、よく車を運転するので他人ごととは思えない。
小学校の恩師の家に用事があって三浦海岸近くまで車を走らせた。東京湾の波で道路を抉られてしまって只今工事中という道路を通った。道路工事現場にある信号機が赤だったので停車した。赤い信号の下にデジタルで4ケタの時間表示がついている。初め3の数字が出ていたので「3分なのだな」と納得したが秒表示の数字が1秒ずつ減って行くカウントダウンを180秒もやるとやけに3分が長く感じた。カウントダウンは20ぐらいからだと元気溌剌になる。3分という時間は普段の生活では瞬時に過ぎてしまうのに、車の3分は実に長い。時間の余裕がある時はゆっくり行こうと誰しも思う。それでも車の運転というのは心のどこかに早く行きたいと思う心理が働くのだろうか。
3分経ったら結構僕の後ろに長い列が出来た。皆少しでも早くスタートして急いでいるように思えたのは僕が先頭を走っていたせいだけだろうか。

ブットレアショートカット
我が家の台風被害は木が倒れたくらいだった。夜中の風の音から想像したらもっと被害が出るのではとヒヤヒヤしていたが、ブッドレアとコキアが倒れた位で良かった。ヨットを下りたら自然に毎日、庭の手入れに時間を割くようになった。といっても今まで夕食前に家の周囲を一周する散歩にとって替わった感じだ。手入れをしている中に日々の成長が見えるからなかなか面白く趣味の一つになりそう。庭の土が悪いので真剣にやればやるほど重労働。聞きかじりの知識で対応しているからかなり無駄なことをやっているに違いないが園芸に勤しむこが出来るのは幸せなことだ。最近は毎日夕食の前の1時間が趣味の園芸の時間ということになった。作物を作るのではなく花と木がテーマ。
当然ながら、今回は倒れた木々の手当が仕事。長い間、花を咲かせて眼を楽しませてくれたブットレアは根こそぎ倒れたので、穴を掘り直し、土と肥料をいれ、丈を思い切って短くして埋めなおした。根が結構浅く横に広がっていたが、来年も元気に花を咲かせてほしい。その後は散らばり放題の落ち葉と枝の処理。竹ぼうきで掃いたら大きなプラバケツに2杯の落ち葉と小枝が集まった。原始的だけれどホームセンターで売っているあの竹ぼうきは誰が発明したのか落ち葉がよくかき集められる。

龍隠庵の石段
修学旅行生たち台風被害再建中の古民家
台風一過の翌日、北鎌倉円覚寺でお茶のお稽古があった。境内には修学旅行の季節なのだろうか?学生服とセーラー服を着た中学生がグループで歩きまわっていた。円覚寺は台風の影響は余りなかったようだ。しかし、松嶺院は境内の中に被害があったらしく、門の扉がしっかり閉ざされ扉に閉門の告知が貼られていた。
お茶のお稽古でお借りしている龍隠庵の石段にはどんぐりが沢山落ちていた。我が家もそうだったが、木が多い龍隠庵は庭や階段が落ち葉の山。朝早くから住職が竹ぼうきではいたらしいのだが、面積が大きいしお忙しい住職一人では限界がある。落ち葉がかき集められた山いくつかあった。お稽古前に手の空いた3人がその後をフォローした。初めは作務衣で作業していたが、汗っかきの僕は動きだしたらすぐ汗だく。途中で作務衣の上着を脱ぎ作業続行。
作業中にお客様が時々やって来る。よちよち歩きのお子さんを連れたお母さんグループが石段のどんぐりを見つけ、お子さんと一緒に拾っている。折角だから枝付き、葉付、殻斗付どんぐりをプレゼントした。帰りがけによちよち歩きの女のお子さんが小さな手を振ってあいさつしてくれた。好意を分かってくれたみたい。
龍隠庵は本堂の横に修復中の古民家がある。茅葺の古い建物だがかけてあったブルーシートが強風で飛ばされて見るも無残な姿になっていた。

台風一過の次の日
台風が通過した後は予想より風が上がらなかった。もっと吹きかえしがひどいのかと思ったが考えていたより静かな風だった。秋の長雨にやっと終止符が打たれたのかと思ったが、テレビでもう次の22号の台風が発生したというニュースが流れた。早く本物の秋が来ないか沢山の人たちが望んでいるのに・・・・。
そして、翌日の朝5時半。「今日もまた曇りかな?」と思ってカーテンを開けたらこんな素敵な朝焼けが望めた。やはり晴れると不思議なことに気分が高揚してくる。何かやる気がでて活動的になる。
しかし、晴れ晴れしい気分もつかの間。午後になったら雲行きがあやしくなってきた。あれよあれよという間にどんよりとした曇り空になってしまった。部屋干しをしていた洗濯物を出し短時間て慌てて取りこんだ。
ま~いつになったら本物の秋がやって来るのだろう。早く来ないと冬になってしまう。初冠雪のニュースも流れている。秋を飛ばさないで!と言いたい。

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