やっちゃんの珈琲たいむ

2016年12月

珍しい連絡船
黄金崎の先に富士山が見える定位置の「あぶさらむⅡ」
しかし、1時間ばかリ沖合に出たところでぱたりと風がなくなりセールトリムが出来なくなった。
Nさんの体調のこともあり、12時過ぎには港に戻ろうと約束していたので、時間を見計らってUターンをした。波がないからオートパイロットも良く利き、快適そのもの。
そのうちに、安良里港から派手な船が出てきた。安良里港には普段いない船だ。きっと奥にある藤高造船所にメンテナンスのために入っていた船に違いない。
派手な船は港を出るとすぐ北に向かった。ヨットと違いスピードが出るから引き波を立ててどんどん北上する。やがて土肥沖まで行ったかと思ったら今度は方向を変え南下してきた。暫く様子を見ていた。
どうもそのまま母港に帰るとは思えない。案の定、安良里港に方向を変えたのでやり過ごし、我々の先を行ってもらった。
船体にハイビスカスの花がデザインされていたが、黄色と赤や茶色が使われていたので、遠目からは紅葉がデザインされているのかと思わせる。港に入ったらやはり藤高造船所でメンテナンスをうけていた伊東、熱海、初島の間を走る連絡船「イルドバカンス3世号」だった。そう言えば以前も見たことがあった。
みんなで「あぶさらむⅡ」の後片づけをして、1時過ぎに船を離れ、宇久須の蕎麦屋さん「やぶ誠」で昼食をとって散会。今年最後にヨットでセーリングが出来るとは思わなかった。「あぶさらむⅡ」のオーナーには深く感謝。

駿河湾セーリング
3人のオーナー僕はゲスト
初日の夜はTさんの「TURTLE」に集合した。Tさんは下田在住。自宅から船に料理を運びこみ、我々が夕方船を訪ねたらキャビンはフランスレストランのように準備されていた。Nさんだけは飲まないので僕たち3人は昼間に続いてまたまたビールに始まり船に積んであるお酒を順番に飲んだ。そして、話が盛り上がり最終的には夜中2時まで飲んで飲みまくった。
最も僕は10時過ぎからはウトウトし始めてしまった。Nさんは体調を心配していて冬場はヨットには泊まらない。11時に予約してあるホテルに行くといって船を引き上げた。
そして翌日、10時過ぎに全員集合。久しぶりに駿河湾に出た。生憎、風は殆どない。今の時期、西伊豆は西風が吹きはじめ海が荒れることが多いのだが、この日は久しぶりに行った僕たちを歓迎してくれているかのように風速5~8kt。それに北西の風だったので波も50cm以下。
Nさんは初めて他人の船に乗ったと大はしゃぎ。更にご覧のように富士山は雲一つなく裾野まですっきり姿を現した風景をみて全員のテンションが上がった。
風は微風だったのだが、5~6ktのスピードで帆走も出来、思わぬヨット日和になった。


Nさんのエタップ
NさんのエタップNさんのエタップNさんのエタップ
「あぶさらむⅡ」の点検を済ませ、今回ご一緒したNさんの船に行った。キャビンから顔を出しているブルーのキャップを被った人がNさん。Nさんは一度もヨットに乗ったことがないのだが、どうにかしてヨットに乗ってみたいとまず先に練習をするための船を手に入れた。その勇気には敬服してしまう。船を手に入れてから操船を練習するというのだから凡人とは発想が違う。以前体調を崩し、現在リハビリ中でもある。余り無理は出来ないが、家族を載せてセーリングするのが夢なのだという。実に真面目で純粋な夢だ。既に船があるのだからこんなに実現性の高い話はない。Nさんの夢を聞いて今回ご一緒した「TURTLE」のTさんが現在お手伝いしている最中だ。
僕はNさんが手に入れた船を見たことがなかったので乗船させてもらった。手に入れてからいろいろと操船しやすいように改良していて、未だ艤装が完成されていないのですぐ出航できる状態ではなかったが、どこに手をつければ完成するかを皆で確認した。あと少しで完成する。完成すれば後は操船の特訓あるのみ。
これから春先までは西伊豆独特の強風が吹きまくるから、その間に整備を納得いくまでして、春先から練習を開始すれば来年の初夏には家族皆で乗れる夢はすぐ実現する。


安良里港の「あぶさらむⅡ」
ドックハウスとデッキハンドレールにソフトカバーが被せられて引きちぎれたクリート
僕が安良里港を離れてから、かなり係留艇に変化があったようだ。以前は50~60艇ぐらいが係留されている時代があったが、今回行ってみるとかなり海面が空いている。
オーナーさんたちも現在係留されている数を知らない。そこで野次馬根性も手伝って、係留されている船の数を数えてみた。中にはどこかに出かけている船もあるかも知れないのだが、数えた時点では30数艇だった。以前は数の中に幽霊船のようなものもスペースをとっていたからそれらが無くなったのかもしれない。海面がすっきりして整理整頓されている感じを受けた。
「あぶさらむⅡ」のデッキに少し鳥の糞が落ちていたが、その昔「あうん」が苦労したほどではなかった。オーナーもいろいろな方法を試していた。初めは僕が勧めたのでCDなども吊るしていたが、効果がなかったらしく、最近は吊るしていないのだという。比較的効果があるのはテグスとビニールで出来た烏の偽物だそうで、コックピットには2羽吊るしてあった。
船はオーナーによっていろいろな工夫がある。それがなかなか面白い。「あぶさらむⅡ」はドックハウスの上のハンドレールにクッション付きのビニールが巻いてあった。触れて優しく、太陽の劣化防止にも役立つ。
今年の夏に瀬戸内海に出かけたが、広島の尾道でデッキの真ん中にあったクリートが根元から飛んでしまった話を聞いたが、その残骸を見せてくれた。真っすぐだった筈のクリートが弓の様に左右が上にカーブしビスが根元から綺麗に切断されていた。波と風の力は人間が太刀打ちならないくらいの強烈な力だということを実感させてくれた。



懐かしのキャビン
今回は朝8時に「あぶさらむⅡ」のオーナーBさんがわざわざ逗子から我が家まで迎えに来てくれた。日曜日の割には道路が空いていて10時半過ぎに安良里港に到着した。それからすぐ「あうん」と同型艇の「あぶさらむⅡ」に移動した。既に会う約束をしていたTさん、Nさんは自艇に到着していて我々を待っていてくれた。
「あぶさらむⅡ」は「あうん」よりずーと新しい。「あうん」は1号艇だったが、「あぶさらむⅡ」は4号艇。造船会社も作り始めて4番目だから慣れてきて、設備的にもどんどん進化して「あうん」より更に素敵な船に成長していた。レイアウトは殆ど同じだったので、キャビンに入るとまるで自分の船に到着したかのような錯覚を起こす。
「あぶさらむⅡ」はキャノピーの上に太陽電池のパネルが設置してあるので、いつもバッテリーが充電されていて長距離航海を快適にこなすことが出来た。
いつもきちんと整備がされているので、簡単にチェックをしてから4人で岸壁に集合し、久しぶりに以前よく通ったレストラン「ら れーぶ」でランチをした。レストランは港から至近距離にある。だから歩いても行かれるのだが、今回はNさんの立派なドイツ車で連れて行ってもらった。
Nさんは体調を崩していて目下、療養中だったのでお酒を飲まない。そして大の車好き。それを良いことに僕たち3人はランチでビールも飲んだ。
結局、初日はNさんが総て「アッシー」をやってくれて買い物やお風呂にもNさんが持っていた回数券を利用して連れて行ってもらった。初日から贅沢三昧でバチがあたりそう。

このページのトップヘ