やっちゃんの珈琲たいむ

2016年01月

富士山は雲の中
富士山・羽衣マリーナの「あうん」富士山・羽衣マリーナの「あうん」
いつも入港時に「あうん」の記念撮影をする。しかし、桟橋に係留完了した時には5時30分を過ぎていて、辺りは暗くなっていた。(写真は翌日の朝の撮影)
事務所に手続きを済ませ、ハーバー入口の扉を開けるカードを借り、自転車を2台借りた。
このハーバーはいろいろな道具が良く揃っている。
桟橋に着けてから役割分担をし、善さんと優さんは自転車に乗ってスーパーに夕食のための食材の買い出し。僕は係留後の船の色々な後始末をした。
何せ寒いので夕食は鍋にすることにし、2人でスーパーから野菜やお魚を買い込んできた。お米は予め持参したおかずが要らないくらい美味しい魚沼・諸長商店の「こしひかり」。ヨットでの自炊のせめてもの贅沢だ。
善さんはいつも食当をかって出てくれるので、作っている最中から僕と優さんがビールを飲んでおだを上げた。
外は寒いが締め切ったキャビンはちょうど良い室温になっていて快適そのもの。結局、10時過ぎまで話が盛り上がった。
以前にも体験したことがあったが、このハーバーは全く揺れず、朝方までぐっすり。



日没寸前の清水港
夕陽に向かって夕陽に向かって夕陽に向かって
今の時期の太陽は落ちるのが早い。清水港の入口にどうやら5時15分前についた。目指す富士山・羽衣マリーナまではかなりの距離がある。先ずは港の中に入ったことをハーバーに連絡した。未だ、夕陽が完全に沈んではいなかったが、早目にマストトップの航海灯を点けた。
最近は点けたことがなかったから、チェックになってちょうど良かった。(本来は出港時にチェックするものだが)
港の入口からハーバーまでは急いで30分はかかる。
数えきれないほど入港しているからある程度海の様子は分かる。マリーナは昔の貯木場の跡なので、海の中に沢山のコンクリートブロックが立っていて、ハーバーの手前は迷路のようになっている。初めて入港した時を思い出した。
入口の桟橋でスタッフさんが手を振って迎えてくれた。電話で予約をした折、大体の係留場所を聞いておいた。
以前のゲストバースは一番外側だったが、朝方通過する沢山の船の引き波でよく揺れる。何度目からは揺れない奥の方に停めさせてほしいと要望したら、一番奥の桟橋になった。今回も同じ場所を指定されて一安心。
スタッフさんが右舷にフェンダーをつけるようアドバイスされたが、「出船で停める」と言って、あらかじめ準備した左舷側を桟橋に着けた。

遥か彼方に
ちきゅうちきゅうちきゅう
今回駿河湾沖にかの有名な地球深部探査船「ちきゅう」がいた。初めて見たのはもう数年前。やはり駿河湾だった。初めは知らなかったので大きなヨットかと思った経験がある。この船は人類史上初めての地球深部探査船として10年前にデビュー。マントルや巨大地震発生域への大深度掘削を可能とする世界で初のライザー式科学掘削船と言われる。
専門用語は分からないが国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の船で、国際深海科学掘削計画(I0DP)の主力船として地球探査を行っている船。地震の多い日本では大いに活躍して欲しい探査船になる。
ホームページを見て分かったことだが、実はこの船、失意のどん底にいた。1月16日、御前崎沖で定期検査工事後の海上試験で掘削用ドリルパイプ(1400m)が3600mの海底に脱落するというアクシデントがあったばかり。パイプの長さも長ければ脱落した海の深さも深すぎる。
素人には想像もつかないが早く、対策をうって現役復帰して調査を開始して欲しいものだ。

駿河湾を疾走
飛行機雲飛行機雲飛行機雲
強風で雲が総て吹き飛んでも良さそうなものだが、真っ青な空に所々残っていた。「あうん」のメインセールはワンポイントリーフをしてあるのでマストトップから1mぐらい下から展開されている。抜けるような空に「あうん」のメインセールが太陽に当たって真っ白に見え、久々に快い緊張感に包まれた。
伊豆半島は旅客機の航路になっていて、1万メートルの上空を時折、太陽に光った旅客機が姿を現す。高度があるので音は全く聞こえないのだが、寒気の中を飛んでいるためか、総ての機体の後ろから真っ白なチョークで描いたようなラインが出来る。その数が想像以上に多い。
そのラインも風ですぐ崩れることがなく、青空にいつまでも残っている。
総てのラインが駿河湾を横断しているので五線譜のよう。これも真冬のクルージングならではの風景だ。

清水港を目指して
安良里港を後に遥か遠くに雲見が大瀬崎、富士市を見る
このところ、怠けていて、長時間かけてホームポートの安良里に行くものの、エンジンのアイドリングと点検をやるだけで帰ってきている。
この冬の寒気団がやってきて、東京にも雪が降り混乱をきたした。そしてまたまたこの冬最強の寒気団がやってくる直前、清水の富士山・羽衣マリーナを目指して出港を決断した。自宅を8時過ぎに出発。善さんと優さんを乗せて安良里に着いたのは昼過ぎになった。普段いつも出航態勢はとっているので、余り手間を取らずに出航できた。と言っても午後1時。清水までは4時間ぐらいかかるから少しスピードを上げないと日没に間に合わない。
マリーナは清水港の一番奥に位置するので、マリーナには5時ぎりぎりに入港することを伝えておいた。
1月の西伊豆は西風が強く、天気が刻々と変わる。それだけに細かな気象情報をしっかり把握する必要がある。今回も途中で風が強まる恐れがあり、セールをワンポイントリーフ(縮帆)しておいた。冬の海は黒っぽく見えて寒そうだし、重そうに見える。幸いにして太陽が出ていたので少し気が楽だった。久しぶりに海から見る南側の田子島、雲見。北側には富士山が見える筈なのだが、風が強い割には雲が横たわり姿が全く見えなかった。出港当初は北風だったが途中から南西20ノット前後の風に変わった。しかし、波が1mぐらいと低く、スプレー(飛沫)が上がらなかったのがラッキー。

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